この記事ではGoogleスプレッドシートで、Windowsユーザーが効率よくハイパーリンクを貼る方法を紹介する。
記事の基になっているのは管理人の実務に伴う経験と試行錯誤だ。
管理人は資料作り用にGoogleスプレッドシートに大量のリンクを貼る必要に迫られ、効率のいい方法を検索しては作業を繰り返した。たどり着いた効率のよいリンクの貼り方が以下の記事となる。
もっと効率のいい方法があるかも知れないが、管理人は手動でリンクを貼る場合に限っては現状これが最速の方法だと思っている。縁あってこの記事にたどり着いてくれたた皆さんに自信を持って紹介したい。
この記事を読んで頂ければ、作業のイライラは確実に軽減するだろう。作業時間も従来よりかなりの時短になることは間違いない。
まずはGoogle スプレッドシートにリンクを作成する基本であるHYPERLINK関数に触れたが、この項目は飛ばしてもらっても構わない。
その次項にある初級編からが本編となる。続けて効率化編、爆速化編とある。初級編の知識を土台にした上での爆速化編が、この記事の肝となる。
マメ知識編を挟み、記事の最後にはHYPERLINK関数を用いてURLを一瞬にしてリンク集にする方法を記した。この二つは知識としてインプットして貰えば、リンクを貼る作業の幅が広がるだろう。
【基礎】ハイパーリンクはHYPERLINK関数もしくは貼り付けて作成
Googleスプレッドシートにハイパーリンクを設定するには、二つの方法がある。
1,HYPERLINK関数を使う。
2、URLをセル内に貼り付ける。この時に表示されるリンク先テキストは貼り付けたURLと同じものになる。下記に任意に選んだサイトURLを10個並べたので、試しにGoogleスプレッドシートを起ち上げ、貼り付けてみて欲しい。
https://www.google.com/
https://www.yahoo.co.jp/
https://www.msn.com/ja-jp
https://www.livedoor.com/
https://www.infoseek.co.jp/
https://www.excite.co.jp/
https://www.goo.ne.jp/
https://www.youtube.com/
https://www.amazon.co.jp/
https://www.rakuten.co.jp/
このリンクを貼り付ける方法だと、表示されるテキスト(リンクラベル)を変えることができない。
そこでHYPERLINK関数を使うことで、任意のテキストに変えることができる。
HYPERLINK関数でハイパーリンクを設定する
リンク先のURLを第1引数に、二重引用符で囲んで指定する。例えばGoogleにリンクを貼りたい場合のコードは下記となり、
=HYPERLINK("http://www.google.com/")
ヤフーなら下記になる。
=HYPERLINK("https://www.yahoo.co.jp/")
上記をコピーして、Googleスプレッドシートのセル内に貼り付けてみて欲しい。なお、第1引数は必須となる。
HYPERLINK関数でリンクラベルを指定する
ハイパーリンクにテキストを付ける場合は、第2引数にリンクラベルを指定する。
例えば、Googleにリンクを貼り、リンクラベルを「グーグル」とする場合のコードは下記で、
=HYPERLINK("http://www.google.com/","グーグル")
ヤフーへのリンクにリンクラベルを「Yahoo! JAPAN」とするならば、
=HYPERLINK("https://www.yahoo.co.jp/","Yahoo! JAPAN")
と、すれば良い。なお、第2引数は任意となる。
基本よりもっと簡単で早い方法がある
以上がGoogleスプレッドシートでハイパーリンクを作成する方法の基本だ。
- HYPERLINK関数を使う
- URLを貼り付ける
手動でリンクを貼り続ける場合、効率を考えるとHYPERLINK関数はおすすめできない。
そこでもっと簡単で早い方法を次項から紹介している。リンク貼りを時短したい方はここから先の記事は飛ばさずに読んで欲しい。
この記事の最後には、HYPERLINK関数を使って一瞬で大量のリンクを作成する方法を書いた。興味のある方は目を通して欲しい。
【初級編】Google スプレッドシートで効率よくリンクを挿入する方法
まずはGoogle スプレッドシートを開く。
マウス操作で[適用]をクリックしても良いが、作業を時短するためにEnterキーを押すこと
セルの移動もショートカットキーで
セル移動するときもマウス操作ではなく、ショートカットキーで行うとより作業の効率化が図れる。以下に4つだけピックアップしてみた。
- 右に移動
-
Tabキーを押す。
- 左に移動
-
Shiftキーを押しながらTabキーを押す。
- 上に移動
-
Shiftキーを押しながらEnterキーを押す。
- 下に移動
-
Enterキーを押す。
他にもあるセル移動のショートカットキー
Ctrlキー+Homeキー
セルのA列1行目に戻る
Homeキー
行の最初に移動。
Ctrlキー+Endキー
セルの最後に移動する。
Ctrlキー+矢印(方向)キー
連続して入力されているセルの一番右、一番左、一番下、一番上に移動する。セル内が連続して空の場合は先頭行、末尾行、先頭列、末尾列に移動する。
まだまだあるセル移動のショートカットキー
この他にもセル移動のショートカットキーは多数にある。この記事では全部紹介しきれないので、知りたい方は検索して欲しい。可能ならばスキルアップのためにも習得するべきだ。
検索キーワード「セル移動 ショートカットキー」でググってもらえれば、効率化を図るためのショートカットキーが見つかる。
初級編のポイントはショートカットキー
以上が初級編となる。
作業を早くするにはマウス操作を少なくして、いかにキーボードのショートカットキーを多用するかにある。
セルの移動もマウスでなくショートカットキーで行うのが理想だ。慣れないうちはせめて矢印キー(方向キー)でセル移動して欲しい。
それと、保存作業は絶対にして欲しい。この保存作業を忘れると、ちょっとした操作ミスなどで、前回の作業が無くなってしまうことが起きる。
【効率化編】URLを貼って左クリックで完了する方法
今から紹介する手順は、上でご紹介した【初級編】の応用編となる。
この【効率化編】の方法を覚えれば、リンクを貼る作業がよりスピードアップする。
ここでは【東洋経済オンライン( https://toyokeizai.net/ )】さんのURLをお借りして説明を進める。
https://toyokeizai.net/
ここでは例として【東洋経済オンライン】さんの「https://toyokeizai.net/」を貼る。
個別ページのタイトルにも対応してくれる
引き続き東洋経済オンラインさんのURL(https://toyokeizai.net/)を借りて説明を続ける。
例えばこの記事を書いている時点(2023年4月1日13時ごろ)で、東洋経済オンラインさんで一番新しい記事は「【子どもの自己肯定感】成長を邪魔する大人の心理」と言うタイトルだ。
個別URLは「https://toyokeizai.net/articles/-/654468」となっている。
このURLをGoogle スプレッドシートに貼り付けて説明を続ける。
https://toyokeizai.net/articles/-/654468
タイトル部分が自動的に個別記事と連動してくれる。
【爆速化編】Microsoft Edgeを使えばコピペで作業がサクサク進む
この記事の本丸というべき爆速化編は「Googleスプレッドシート」と「Microsoft Edge」を組み合わせて使い、リンクを貼る作業を爆速化させるという主旨となる。
Edgeブラウザは他のブラウザと違い、アドレスバーのURLにハイパーリンクが設定された状態になっている。
具体的に言えばMicrosoft Edgeのアドレスバーから「https://www.google.com/」をコピーして、Googleスプレッドシートに貼り付けるとリンクを付与した上で「Google」と表示して貼り付けてくれるのだ。
なお、Microsoft Edgeの公式はこの機能に関して下記のようにアナウンスしている。
Microsoft Edge では、アドレス バーから Web URL をコピーしてコンテンツに貼り付ける方法が改善されました。 この機能では、WEB アドレスではなく、ハイパーリンクが設定されたタイトルとして URL がコピーおよび貼り付けされます。
Microsoft Edge の URL のコピーと貼り付けを改善しました
マイクロソフト社のEdge公式サイトです。
では、具体的に説明してみよう。
Microsoft Edge で貼るだけの爆速リンク作成法
ここでは「YouTube」を例にとります。
https://www.youtube.com/
キーボードの[Ctrl]キーと[K]キーを押してリンク挿入タブを起動させる必要もないし、セル内を再編集する手間もない。URLを貼るだけでリンクが完成する。
貼り付ける先は、Edgeブラウザ以外でも有効
EdgeからコピーしたサイトURLを貼り付ける先は、Edgeで起動したGoogleスプレッドシート以外でもリンク形式で貼り付けてくれる。
- Chromeで起動しているGoogleスプレッドシートでもOK
- Firefoxで起動しているGoogleスプレッドシートでもOK
- Operaで起動しているGoogleスプレッドシートでもOK
ブラウザを選ぶことなく、EdgeからコピーしたURLはリンク形式で貼り付けることができる。
またGoogleスプレッドシート以外でも、Googleドキュメント、MicrosoftのWord、Excel、OpenOffice、LibreOffice、などのオフィス ソフト、その他書式付きテキスト(リッチテキスト)を扱えるアプリへの貼り付けで有効だ。
コピーしたURLをプレーンテキストで貼り付けたい
Edgeから貼り付けたURLをリンク形式でなく、普通のテキスト(プレーンテキスト)で貼り付けたい場合もあると思う。
そんな時は特殊貼り付けと呼ばれる[値のみ貼り付け]を使うと良い。
ショートカットキーは[Ctrl]キー+[Shift]キー+[V]キーだ。これで貼り付けると、書式を引き継ぐことなくペーストすることができる。
特殊貼り付けの[値のみ貼り付け]は[書式なし貼り付け]とも呼ばれる
【参考】特殊貼り付けには[書式のみ貼り付け]もある
ショートカットキーは[Ctrl]キー+ [Alt ]キー+ [V]。
文字通りセル内から書式のみをコピーして貼り付けることができる。
機能を停止する場合は?
Edgeの書式を保持したまま貼り付ける機能そのものを停止する場合は、設定を変更する必要がある。
edge://settings/shareCopyPaste
上記のURLをEdgeのURLバーに貼り付けると、[STEP5]の画面になるので、右側の[プレーンテキスト]を選択すればよい。
【さらに爆速化】Windowsクリップボード導入のすすめ
コピー貼り付けの作業で一番面倒なのが、コピー元と貼り付け先の画面を何度も切り替えながら作業することだろう。時にはアプリを切り替えながらコピー作業をする場合もある。
その手間を解消するOS標準の機能に、クリップボードの履歴を保存して呼び出し、貼り付けることができる「Windowsクリップボード」がある。
このWindowsクリップボードを使えば、画面やアプリを切り替えることなく、コピーしたものをどんどん貼り付けることができる。
クリップボード履歴ソフトと言えばCliborが有名だが、WindowsクリップボードはOS標準なので新たにソフトをインストールする必要もない。またCliborのクリップボード履歴はテキストだけなのに対し、こちらは画像も履歴に含まれている。
Windowsクリップボード機能の使い方
https://www.google.com/
https://www.youtube.com/
https://www.yahoo.co.jp/
Windowsクリップボードで貼り付け作業の時間はどれくらい短縮できるのか?
管理人の体験でいえば、Microsoft EdgeとWindowsクリップボードの組み合わせで、Googleスプレッドシートへのリンク貼り付け作業は、従来の半分以下の時間で完了するようになった。
これにキーボードのショートカットキーを覚え、習熟させれば更なる時間短縮も可能だ。
さらに、ボタンの割り当て機能があるマウスなどを使えば、もっと時間短縮を目指せるかも知れない。
【マメ知識編1】Google スプレッドシートは検索してリンクを貼ってくれる
Google スプレッドシートはリンク挿入タブのURL欄にキーワードを入力するだけで、リンクの候補を示してくれる。
有名サイト、有名人なら名前を入力するだけでリンク完成
キーボードの[Ctrl]キーと[K]キーを押すと現るリンク挿入タブに「ゆーちゅーぶ」と入力するだけで、YouTubeへのリンクを示してくれる。
有吉と入力するだけで、有吉弘行氏のTwitterとInstagramをリンク候補として上げてくれる。
これは有吉弘行氏のTwitterのフォロワー数が日本有数だからリンク候補に出てくるわけではなく、一定の知名度を持った人物なら同じようにリンク候補をあげてくれる。
ただどんな有名人でも、苗字が都道府県や市町村レベルの地名とかぶる場合は地名が優先される。例えば有吉弘行氏よりTwitterのフォロワー数が多いダウンタウン・松本人志氏の場合は、松本と入力しても「松本人志」氏より「長野県松本市」がリンク候補として優先される。
キーワードは曖昧でも構わない
例えば大人気YouTuber・Hikakinさんの公式チャンネルは「ようつべ ひかきん」と入力するだけでリンクの候補を上げてくれる。
どんなキーワードでも対応してくれる
リンクを作りたいキーワードはどんな言葉でもGoogle スプレッドシートは対応してくれる。
上の画像は「お花見 おすすめ」ですが
- ランチ 新宿 おすすめ
- AKB メンバー
- 腰痛 解消 動画
Google スプレッドシートは使う人のアイディア次第でどんなリンクも手間なく作ることができる。
セルに書き込むだけでもリンクが貼れる
リンク先URLのテキストをあらかじめ用意しておけば、数分以内にリンクが完成します。
【マメ知識編2】一つのセル内に複数のリンクを付与することもできる
マメ知識編2としてGoogle スプレッドシートで、一つのセル内に複数のリンクを貼る方法を紹介したい。
ここでは例として、ひとつのセル内に「Google スプレッドシート」と入力して、「Google」と「スプレッドシート」にそれぞれ別のリンクを挿入してみる。
文字列【Google】部分には「https://www.google.co.jp/」へのリンク。
文字列【スプレッドシート】部分にはGoogleのヘルプページ、スプレッドシートの使い方「https://support.google.com/docs/answer/6000292」へのリンクを貼ることができました。
HYPERLINK関数を使って一瞬でリンクを貼る方法
最後にHYPERLINK関数を使い、一瞬でリンクを貼る方法を紹介する。
このHYPERLINK関数を使うことで、リンク先URLのテキストを自由に設定することができる。また、リンク先URLとリンクラベルが揃っている場合は、リンクを貼るだけで大量のリンクを瞬時に作成できる。
HYPERLINK関数の構文を確認
HYPERLINK(URL, [リンクラベル])
- URL
-
- リンクしたい先のURLを第1引数に二重引用符で囲んで指定する。
- mailto:、aim:、ftp://、gopher://、telnet://、news:// も指定可能。
- プロトコルを指定しないと、「http://」が自動追加される。
- リンクラベル
-
- リンクラベルとはセル内に表示させたい文字列。
- 一般的にはリンクしたい先のサイト名、もしくは個別タイトル名となる。
- 表示させたいテキストを第2引数に二重引用符で囲んで指定する。
- リンクラベルは省略もできる。その場合は、URLの文字列が表示される。
【ワーク1】関数でリンクを貼ってみる
実際にHYPERLINK関数を使ってみる。
1行目のC列に「グーグル」
3行目のC列に「https://www.google.co.jp/」
と入力しておく。
リンクは5行目のC列に作成する。
ここでは3行目のC列をクリックする。[=HYPERLINK(C3]と表示される
[=HYPERLINK(C3,]と表示される
ここでは1行目のC列をクリックする。[=HYPERLINK(C3,C1]と表示される
=HYPERLINK(C3,C1)
5行目のC列にリンク先「https://www.google.co.jp/」
リンクラベル「グーグル」のハイパーリンクが設定された。
【ワーク2】関数で作ったハイパーリンクのリンクラベルを変更してみる
HYPERLINK関数で作ったハイパーリンクのリンクラベルを変更したい場合は、リンクラベルに指定したセル内を編集すれば良い。
この操作により、リンク挿入タブを開く手間が省ける。例として、上記のワーク1で作ったリンクを使用して説明したい。
【ワーク3】通販サイトのリンク集を作ってみる
ワーク1とワーク2を踏まえて、Googleスプレッドシートに通販サイトのリンク集を作ってみる。
興味を持った方は下記の通りにワークしてもらえればリンク集があっという間にできる。
https://www.amazon.co.jp/
https://www.rakuten.co.jp/
https://shopping.yahoo.co.jp/
https://www.yodobashi.com/
https://www.bellemaison.jp/
https://www.nissen.co.jp/
https://www.dinos.co.jp/
https://belluna.jp/
https://dshopping.docomo.ne.jp/
https://wowma.jp/
アマゾン
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ヨドバシ
ベルメゾンネット
ニッセン
ディノス
ベルーナ
dショッピング
au PAY マーケット
=HYPERLINK(A1,B1)
[ニッセン]を[ファッション通販のニッセン]に変更してみる
リンク挿入タブを起動させることなく、リンクラベルが変更できる。
HYPERLINK関数は存在を知っておくだけで作業の幅が広がる
HYPERLINK関数はややこしいが、スプレッドシートを頻用するワーカーにとっては重宝する機能が豊富にある。
HYPERLINK関数はWebサイトにリンクを貼る以外にも、シートやセルを指定することができる。また、セルの範囲を指定してリンクを貼ることもできる。
この記事ではこれ以上HYPERLINK関数に触れないが、もっと知りたい方は検索してみて欲しい。
検索するキーワードは「Googleスプレッドシート HYPERLINK関数」でいい。検索結果の1ページ目には当サイトより詳述された素晴らしいサイト群が並んでいる。
管理人としては、これを読んだ方が「そう言えば何かで読んだHYPERLINK関数とか便利そう」と、思い出してもらえればそれで十分だと思っている。
まとめ
以上、Windowsユーザー向けにGoogleスプレッドシートに効率的にリンクを貼る方法を書いた。
この記事をおさらいすると、大事な点は以下の3つとなる。
- リンクを貼るときは、Microsoft Edgeからコピーする。
- ショートカットキーを覚えて多用する。
- 次の作業に移る時は必ず保存作業をする。
実践すれば、単調なリンク貼りもストレスフリーでかなりのタイパになる。特に2番目の「ショートカットキー」を覚えればリンクを貼る作業だけでなく、パソコン操作自体のスキルもアップするだろう。
なおこれから先Googleスプレッドシートにリンクを貼るより早い効率的な方法を見つけたら、管理人はこのブログ記事を随時アップデートする。
この記事は以上となる。この記事を読んでくれた方の作業が効率化することを切に願う。