Outlook(アウトルック)はMicrosoft社製のメールソフトで、スケジュール管理や情報の管理もできる高機能なソフトだ。管理人はこのOutlookでIMAP設定がどうしてもできないトラブルに見舞われたことがある。
解決してみれば簡単だったのだが、これに関して記述しているサイトが見当たらなかったので、Windowsのニッチなトラブルを解決するブロガーを自認する当ブログが解説することにした。
結論を書くと、管理人が経験したOutlookでIMAP設定ができないトラブルの原因は、セキュリティソフトのESETにあった。
Outlookと言えばWindowsユーザー定番ソフトのひとつだし、ESETは世界的に売れているセキュリティソフトだ。どちらも利用者が多いソフトであり、同時に使っている利用者も一定数いるだろう。またそれらの利用者がOutlookでIMAP設定を試みることも多かろうと思われる。
そうか、ESETが原因か、と万事承知した読者はここで記事の閲覧をやめ、ESETの設定を変更して欲しい。ESETが原因なのは分かったけど、具体的にどうすればいいの?と困惑した方はこの記事を最後まで読んで欲しい。
なお、本記事で扱うOutlookとはWebメールではなく、「Microsoft Office」として販売されている有料ソフトのMicrosoft Office Outlookのことである。
管理人はESETは利用者が多いソフトだ、と明言した。果たして本当に利用者が多いのか調べてみた。世界的なサイバーセキュリティ企業であるOPSWATによると、セキュリティソフトの世界シェアにおいてESETは3位(2020年調査)だった。またこの記事を書いている(2023年6月)時点で、価格コムのセキュリティソフトカテゴリの人気売れ筋ランキングで1位、Amazonの売れ筋ランキングのウイルス対策・セキュリティソフト部門で2位だった。よって、ESETは売れているセキュリティソフトであることに間違いない。
OutlookのIMAPのアカウント設定を確認する
念のためにOutlookにおけるIMAPの設定を確認したい。利用者が多いと思われるヤフーメール、Gmailを例に取って説明する。
繰り返すが、あくまで念のためだ。Outlookでメールアカウントを追加する場合ほとんどのメールは自動設定を選択することで、Outlook側で正しい設定に導いてくれる。
なお、自動設定はメール設定の一番初めに出てくる画面で【自分で自分のアカウントを手動で設定】にチェックを入れずに、【接続】ボタンを押すと自動設定になる。(下の画像を参照)
ヤフーメールの場合
- ユーザー名
-
あなたのメールアドレスを入力
- パスワード
-
あなたが決めたパスワードを入力
- サーバー
-
imap.mail.yahoo.co.jp
- ポート
-
993
- 暗号化方法
-
[SSL/TLS]を選択する
- セキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)でのログオンが必要
-
チェックしない
上記のパスワード欄に出てくるパスワードはワンタイムパスワードではない。ヤフーメール取得時にパスワードレス認証だった人は、メールソフト用のパスワードを発行してもらう必要がある。また、ヤフーメール以外のメールサービスで2段階認証を利用している場合は、メールソフトの認証用にアプリパスワードの発行が必要になる場合もある。パスワードが分からない場合は、各々利用しているサービスに照会して欲しい。
- サーバー
-
smtp.mail.yahoo.co.jp
- ポート
-
465
- 暗号化方法
-
[SSL/TLS]を選択する
- セキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)でのログオンが必要
-
チェックをしない
- 送信(SMTP)サーバーには認証が必要です
-
チェックを入れる
- 受信メールサーバーと同じ設定を使用する
-
チェックを入れる
Gmailの場合
- ユーザー名
-
受信したいGmailアドレス
- サーバー
-
imap.gmail.com
- ポート
-
993
- 暗号化方式
-
[SSL/TLS]を選択する
- セキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)でのログオンが必要
-
チェックしない
- サーバー
-
smtp.gmail.com
- ポート
-
465
- 暗号化方式
-
[SSL/TLS]を選択する
- 送信(SMTP)サーバーには認証が必要です
-
チェックを入れる
- 受信メールサーバーを同じ設定を使用する
-
チェックを入れる
IMAP設定を邪魔するESETの設定を変更する
さて、ここからがこの記事の肝となる。
IMAP設定できないトラブルを解決するには、ESETによるOutlookの保護を一時的に停止すればいい。IMAPを設定する間だけ保護機能を停止して、設定完了後は元に戻すのだ。保護機能を作動させてもIMAPの送受信に問題はない。
そのためには電子メールクライアント統合の働きをOFFにする必要がある。下記に電子メールクライアント統合をOFFにする方法を詳述した。また、設定終了後に電子メールクライアント統合の働きを戻す方法も併記したので、忘れずに実行して欲しい。
なお、ESETには多数の製品が存在するが、このブログで紹介するのはESET インターネット セキュリティ(ESET internet Security)である。バージョンは参考までに付記するがこの記事を書いている時点(2023年6月)では[16.1.14.0]となっている。
[電子メールクライアント統合]をOFFにする方法
パスワードが分からないと、この先には進めない。パスワード入力画面が出てこないように設定を変える場合でも、パスワードが必要になる。パスワードが分からない場合の救済方法に関するESETのヘルプページへのリンクを貼っておく。
【必須】IMAP設定の作業後にESETの設定を戻す
上記の順通り設定を変更し、ESETによるOutlook保護を一時的に停止することで、IMAPの設定が可能になる。
IMAPの設定が完了したら、ESETの設定を元に戻すことを忘れないようにして欲しい。なお、この機能はWindowsを再起動しても元に戻らない。セキュリティレベルを保つためにも手動での復旧作業は必須となる。
まとめ
ESETユーザーがOutlookでIMAP設定ができないときの対処法は以上となる。
一時的にESETによるOutlook保護を停止すれば簡単に解決するのだが、管理人はこれに気付くのに時間が掛かった。縁あってこの記事に辿り着いた方が同じ轍を踏まないことを願う。
ちなみにだが、Outlook以外のメーラーならESETを使用していてもIMAPの設定は可能だった。管理人はThunderbird、秀丸、Sylpheedで設定が可能なことを確認している。
またセキュリティソフトもう一つの人気製品であるノートン セキュリティを使用した場合、OutlookでIMAP設定を邪魔されることはなかった。
では、セキュリティソフトはノートンの方が優秀か?というと一概には言えない。どちらも迷惑メールに関する機能があるのだが、ESETの迷惑メール除外機能は素晴らしい。少なくとも迷惑メールに関する機能に限定すれば、一人のユーザーとしてノートンよりESETが優っていると考える。
横道にそれたがこの記事は以上だ。この記事を読んでくれた方のIMAP設定の成功を祈る。